廣井正義 気ままなビジネスブログ

海外支援経営コンサルタントとして、日々思うことを書いてます

カンボジア プノンペンの日系ラーメン事情

あるクライアントからの依頼で、プノンペンの日系ラーメン店市場調査に同行することとなった。現地でのフィージビリティスタディの支援だ。

カンボジアと言えば、頭に浮かぶのはアンコールワット遺跡である。アンコールワットがあるのは、カンボジアの北西部シェムリアップの近郊であるが、首都であるプノンペンカンボジアの中心を挟んで反対側、南東に位置する。カンボジアの人口は1340万人、国民1人当たりのGDPはようやく1,000US$を超えたあたりと、まだまだ発展途上の国でもある。近年では、タレントの猫ひろし氏が国籍をカンボジアに移してマラソンランナーとしてロンドンオリンピックを目指したことでも知られている。

この写真は、別の機会に観光で行ったアンコールワット(^^;)。

f:id:hiroi-bizcon:20150531111648j:plain

首都であるプノンペンでもまだまだ発展途上であり、街にはローカル色が漂っているが、経済発展は著しく、街には活気があふれ、高層ビルも建ち始めている。市内の移動は公共交通機関はバスしかないが、ちょっと外人にはよほど慣れていないと使えない。そのため市内の移動は“トゥクトゥク”と言う乗り物となる。

f:id:hiroi-bizcon:20150531111822j:plain

この運転手たちは意外と片言の英語が通じるので、行先をしっかり伝えて金額を交渉すれば、市内の移動には結構使えるのだ。使用するお金もUS$でOKだ。今回は、そのプノンペンの日系ラーメン事情をお伝えする。

カンボジアの邦人数は1200名余(2012年調べ)とASEANの中でも比較的少なく、まだまだ日本文化も入り込んでいない。しかし、日本食は少しずつ入り込んでおり、ラーメン店も進出してきている。カンボジアでの通貨はリエルであるが、プノンペンではUS$もそのまま通用してしまうので、ここではUS$でお話をしよう。

プノンペン市内でもラーメン店はもう10軒以上が開店している。中には“なんちゃってラーメン店”もあるが、本格的なラーメンも出始めているのだ。日系ラーメン店では1杯3US$くらいと比較的安いものから、中には10US$近いものまで出始めており、かなり本格的なラーメンを味わえる環境が整いつつある。私も主要なラーメン店を歩き、試食をしてみたが、3US$くらいのラーメンでも結構イケてるものもあるし、高いものはそれなりに旨く、日本と遜色ないものまであるのだ。食材の調達はかなり厳しいものがあるに違いないが、それ以上の努力でしっかりした麺とスープ、具材を揃えている店もあり、驚くばかりである。しかも東南アジアでは圧倒的にとんこつベースのスープが主流であるが、ここプノンペンではそれ以外にも醤油系、塩系等バラエティに富んだメニュー作りとなっているのだ。おそらくまだまだターゲットは現地に住んでいる邦人対象のビジネスではあると思うが、駐在員にはありがたい存在のお店であろう。

f:id:hiroi-bizcon:20150531111930j:plain

このラーメン店は、現地の邦人の間でも評判の高い店。更には期間限定で、日本から持ってきた煮干しでだしを取った特製ラーメンが数量限定であるという。なので、さっそく行ってみた。店内はシンプルだが、ラーメンは本格的な出来栄えだ。

f:id:hiroi-bizcon:20150531112208j:plain

値段はいっぱい7US$と高いが、旨い。それ以外に焼き餃子等も食してみたが、悪くない味だ。

f:id:hiroi-bizcon:20150531112328j:plain

ここは、実はあまり評判が良くないお店。乾麺を販売している会社がそれを広めるために作ったラーメン店で、店内で食すラーメンもその麺を使っている。評判では、麺は乾麺(当たり前だが)で、外食としてはイマイチ、従業員教育もできてなく、サービスが悪いという。

行ってみると、すごくオープンなお店で、入り口や店舗両側の壁がなく、柱だけ。奥に厨房がある作りで、オープンすぎて多くのヤモリが徘徊している。

f:id:hiroi-bizcon:20150531112653j:plain

しかし、ラーメン自体はというと、決して悪くない。逆にいうとここは日系ラーメン店としては激安で、1杯3US$程度。

f:id:hiroi-bizcon:20150531112812j:plain

従業員の教育がどうなっているかは定かではないが、ちゃんと挨拶はするし、注文は取るし、決して想像していたような低レベルではない。サービスと言えるかどうかはまだまだ検討の余地はあるが、大きな問題はないと感じた。

f:id:hiroi-bizcon:20150531113019j:plain

ここも結構評判の良いお店。ただ、立地が日本食店が集まるエリアではなく、少し離れたところにある。ラーメン自体はというと、旨い!やはり価格は高いが結構イケてる。ただ、量が少し少ない気がする・・・。

f:id:hiroi-bizcon:20150531113242j:plain

それ以外にも日本食レストランは多く出店しており、近い将来激戦になるのは間違いないと思われる。しかもカンボジアでは外資の誘致に積極的であり、飲食業も100%外資での登記が可能である(2015年3月現在)。

そんなプノンペンの日系ラーメン事情を今回はお伝えした。