廣井正義 気ままなビジネスブログ

海外支援経営コンサルタントとして、日々思うことを書いてます

事業者支援事業の実施

宝島に渡って2日目、本日はいよいよ事象者との面談及びアドバイスを行う。

本日は3名のIターン事業者と、それぞれ2時間の面談を行う。まず一人目は、移住者第1号で、移住して5年目、移住者のリーダーである。彼は現在島らっきょうを生産する農家およびトビウオを取る漁師を行いながら、学生ボランティアの受け入れ等も行っている。また、一般社団法人を立ち上げ、自ら取ってきたトビウオを加工し、販売を行うとともに、トビウオの燻製も試作中である。

島らっきょうでは50a程の畑を有し、栽培しており、さらに拡張予定という。ただ、宝島にはしばしば台風に襲われ、風が強いと収穫が遅れるのが課題という。島らっきょうは他のトカラ諸島でも栽培されており、トカラ潮風島らっきょうとして売り出しているという。現在は作れば作っただけ売れているというので、今後も拡張したいとのことだ。

また、トビウオは漁及び加工はほかの方がやっているので、それを手伝い、新たな販路開拓および燻製の加工・販売を自分で立ち上げた一般社団法人で行うという。

アドバイスとしては、生産量に見合う販路の確保とトカラではない宝島としての島らっきょうのブランド化推進を勧めた。

また、各事業がどんぶり勘定になっている様子だったので、事業ごとの収支をしっかり分けることを勧めた。また、特に事業のお金と家計との区別をしっかり行い、混同しないよう、勧める。

移住者のリーダーとして、島全体の事業として何を柱として育て、宝島=この商品とかこのブランドというものを確立することも勧める。

 

次の業者は、移住して4年目、現在バナナの加工品を生産、販売しており、トビウオの加工及び販売を上記事業者と共同で行っているという。

いろいろと話は聞いたが、問題点や課題は抱えていないとのことだった。

ただ、一般社団法人トビウオの販路拡大事業であるが、手持ち資金がないのではないか。どのように販路を拡大し、定着させていくのかの戦略がないので、それらを立案し、進めることを勧めた。

 

最後の相談者は、移住してまだ半年、ようやく自分のすることを見つけたところだ。島らっきょうの栽培とバナナの栽培は準備を進めており、来年より本格的に栽培をするという。現在島らっきょうは畑を開墾中で、バナナは畑を譲り受けたとのこと。ただ、島らっきょうの種らっきょうが確保できていないという。

それ以外にもマンゴー、ミカン、ドラゴンフルーツ、カカオ、コーヒー、サトウキビもやりたいという、意欲ある若者だ。まだ20代であるが、家族も持ち、頑張ろうとしている。

是非頑張ってほしいが、せっかく島らっきょうの畑を開墾しているのに、種らっきょうの確保が出来ていないのは残念なことだ。なので、種らっきょうを琢さんではなくても少しでも分けてもらうよう仲間や先輩に相談し、わずかでも試験栽培のつもりでやってみることを勧める。そこで収穫できたものを来年の種らっきょうに活用することで、来年の事業が見えてくるハズである。

また、いろいろとやりたい気持ちはわかるが、まだ移住1年目なので、絞り込むことも必要である旨を伝えた。できれば、島らっきょうとバナナに絞り込み、他の農作物は試験的に家庭菜園レベルで今年はやってみて、実験してみることを勧める。多くの種類を少しずつ栽培して収穫しても、販売量に乗らないと無駄になってしまう。ある程度のロットは必要だと思われるので、その様に勧めた。

また、3事業者に共通して話したこととして、儲けることは決して汚い事ではなく、儲けることでより島の経済の発展に寄与でき、雇用も生まれることを説明しておいた。

いずれにしても、みんな夢を持って移住してきており、素晴らしい事である。是非成功してもらい、他の方の手本になってほしいものである。

まだまだ本格的なアドバイスというより、立上げ段階なので、初歩的なアドバイスに留まっているが、次に会う機会があれば、是非もう少し突っ込んだ支援をしていきたいと思う。