廣井正義 気ままなビジネスブログ

海外支援経営コンサルタントとして、日々思うことを書いてます

ベトナム進出企業の支援(現場改善 その1)

以前よりお付き合いのある企業が、2015年夏にベトナムホーチミン郊外のある工業団地内にレストランをオープンさせた。

会社登記までは支援をしてきたが、登記が終わってからは全く連絡が途絶えていた。というのも、登記が終われば後は企業側でしていくので、コンサルタントは不要ということだろう。悲しいが、事業がスタートした際も、招待はなかった。本来、お陰さまでこんな店が出来ました。こんなサービスを開始することが出来ました。等々の報告が招待状と共にあってもいいのではないか?と思うのは、私だけだろうか・・・?

それでもこの会社、初めての海外進出なのでこちらも状況が心配だったので、社長が一時帰国する際に、会いに行って状況を聞いてみることにした。

そうしたら、案の定、現場は大変なことになっているようだ。従業員とのトラブル、工業団地とのトラブル、売上が上がっても全く利益が見えない状況、現金の流出が激しく、当初振り込んだ資本金がなんとたった2ヶ月ほどの投資と運営で底を尽きかけていること・・・。

それは大変なことだと思い、いてもたってもいられず、自費で様子を見に行くことにした。急に行くことにしたので、航空券も空席がなく、バカ高い航空券しかない。せめてホテルは安いところをと思い、韓国街の1泊3000円ほどのホテルを予約して、向かった。

ホーチミンに到着したのは、11月のある日の夜の22時過ぎ。そこからぼったくりタクシーが横行しているタンソンニャット空港でタクシーを拾い、とりあえずホテルへ。ホテルには24時前に着いたが、事前にホテルにメールで遅くなる旨を連絡しておいたら、ちゃんと返信が来て、そのとおり待っていてくれた(めっちゃ助かる!)。しかも英語が結構通じるので、より安心できる。

ホテルについて、すぐに荷物の整理、シャワー、そして就寝。翌日は3時半に起きて、5時には現場に着いた。これもタクシーで移動だ。

ホーチミンではぼったくりタクシーが多くて、しかも言葉が通じない。リスクが非常に高いが、何とかちゃんと現場に到着した。

ここでは、工業団地内に弁当を作ってデリバリーする事業とその場でベトナム料理、一部日本料理を出すレストランを開業したのだ。

早速現場に入って、従業員一つひとつの行動に目を光らせる。行ってみて驚いたのが、現場での指導や教育が全くできておらず、従業員が自分たちの判断で勝手に動いている。5Sが全くできておらず、日本人側も全く関与してない。なので、現場にはもう、ぼろぼろとお金が落ちて行っているのだ。

しかも、入出金管理がいい加減で、おそらく従業員がお金をかなりくすねているようだ。現物と伝票、現金とお釣りなどノー管理だ。伝票や材料のごまかし、入出金のごまかしが日常的に行われているようだ。

日本側もうすうすわかっていても、どう対応したらよいかわからず、放置。日本人の現場責任者は、現場すら入らない。これでは、お金などいくらあっても足りない訳だ。

今回は急に来たので、2日間という短い期間だったので、初日は現場を徹底的に視察し、問題点を洗い出し、2日目には社長及び現場担当日本人に、問題点を一つひとつ説明し、改善策のヒントを与えることが精一杯。

次回来るときには、大きく改善できていることを祈るばかりである。