廣井正義 気ままなビジネスブログ

海外支援経営コンサルタントとして、日々思うことを書いてます

セミナー講師のオファー

知人を通じてオファーが来た。内容は

1回目:アジアの市場状況について

2回目:海外取引のリスクと準備

3回目:海外進出とF/S

1回目の担当は既に決まっており、2回目、3回目のオファーだ。結局私の担当は2回目の海外取引のリスクと準備となった。1回の時間は3時間だ。

早速企画書及びセミナー資料の作成に取り掛かった。内容としては、SWOT分析による自社分析と戦略の立案、マーケティング戦略立案手法、貿易の流れと注意事項の3部構成だ。これも主催者側のOKが出て、その内容でのセミナーとなった。

今回の企画は群馬県庁である。それをある受託機関が請負い、そこからの依頼だ。

今回は3時間ということで、SWOT分析についてはオリジナルの事例を作成し、それをわずかな時間であるが実際にSWOT分析をしてもらい、後で回答例を配布したうえで質疑応答を設け、理解を深めてもらった。貿易については、主に商談相手との交渉における外国人バイヤーの気質や注意点と代金回収リスクについて、話を進めた。

後にアンケート結果が送られてきたが、おおむね好評だったようで、特にSWOT分析の事例は良かったようである。また、各種戦略立案手法も改めて確認できたという声や貿易実務での注意点や代金回収についても好評を得た。

更には、講師の説明がわかりやすいとか声の大きさや説明のスピードがいいとか説明する用語が簡易でわかりやすいというお褒めのコメントもあった。

セミナーも無事終わったところで、2社から相談に乗ってほしい旨の話が来た。1社は台湾への直接投資、もう1社は韓国への輸出対応だ。

韓国は私自身ほとんど経験がないが、私の知人で韓国通のコンサルがいるので、ご紹介することとなり、台湾案件については私が対応することとした。

後日、台湾への進出を検討している企業にお伺いして、話を聞いてきた。この会社は半導体事業を行っており、私としては全く畑違いである。ただ、セミナーでも自己紹介をしており、それでもいいとのことで話が来た。

結果的には、今までも公的機関を使ってF/Sを進めており、いよいよ2016年には台湾への工場進出の実務を計画しているらしく、中国での工場立ち上げ経験もあり、台湾での駐在経験もあるので、是非支援をお願いしたいとのことであった。

ただ、今回の訪問では、台湾人の気質や交渉での注意点等アドバイスをさせてもらい、その後は検討するとのこととなる。私も伝えることが出来る情報は伝え、注意事項等も説明したので、ある程度は信頼していただけたようである。

2016年、またお願いする際は契約を考えます。ということで今回は終了。来季に繋がればよいが・・・。

 

香港食品販路開拓セミナー講師

関東某所にある貿易協会より、香港での食品セミナーのオファーが来た。或る知り合いを通じてのオファーだ。

私は実は、台湾、中国、シンガポール、タイ、ベトナムであればかかわった経験を有するが、香港は以外にもあまりないのである。企業支援でフィージビリティスタディの経験はあるが、実際に香港市場に係ったのは、会社員時代に間接貿易で販路開拓をした程度。しかも、主催はジェトロジェトロの香港アドバイザーと私の2名で香港市場についてセミナーを行うのだ。

香港の食品市場については、ジェトロアドバイザーが香港からくるとのことなので、そちらにお任せし、私としては、販路開拓の手法をメインにセミナーを企画した。

企画内容は通り、今回はそのようなテーマでのお話をさせていただくことで了解を得ての登壇だ。そして9月半ばに登壇の日を迎えた。

当日は30名ほどの受講者が来ており、その中でのセミナーとなった。まずはジェトロの方が香港食品市場について、1時間半の講演を行い、その後、私が1時間の枠で販路開拓手法をお話しさせていただいた。

セミナーの内容は、香港経済とその周辺諸国との比較、自社分析による戦略立案手法、F/S手法、マーケティング戦略手法、販路開拓の留意点という内容である。

アンケート結果が後日送られてきたが、役に立った、まあ役に立ったという評価であったが、やはり大変参考になったのはジェトロ香港のアドバイザーの現地での食品事情の講演であったようだ。

こればかりは仕方がないような気がする。しかし、企業として一番困るのは販路開拓手法とその留意点なんだけどね(言い訳・・・)。

 

 

公的機関の企業支援事業 発受注

ある公的機関にアドバイザーとして登録して早2年。全く仕事の依頼がなかったが、2015年7月に初めて依頼が来た。ある日雑メーカーの営業支援だ。

この日雑メーカーは、各種洗剤を生産、販売しているが、売上のほとんどが通販であり、一般の流通ルートが全く育っておらず、そこを支援することとなった。

初回訪問時、こちらはマーケティングや販路開拓支援は得意分野であるが、造詣が深いのは食品。日雑はあまり経験がない。しかし、経営トップは食品も日雑もベースは同じ、ぜひお願いしたいとのことで、一般流通ルートでの営業強化を請け負った。

予定としては、全10回、半年間で一般流通ルートの営業強化を図るというもの。目標をまずは3億円とし、達成できる仕組みを構築、提案するというものだ。

実質は8月下旬からのスタートとなった。現在12月の時点で4か月たったが、未だ支援回数は4回と少し遅れている。というのも、この会社繁忙期に入っており、11月~12月はほとんど時間が取れないという。

この4回の中では、まずは営業部門SWOT分析を行うべくツールの紹介や分析方法等を伝授してきた。そしていよいよ自社の分析を行う時点で繁忙期になり、止まっている。もう一つは、やはり3億円の事業計画をしっかり構築することを勧める。販売予算、販路開拓チャネル、主担当、サブ担当、投入する商品、アプローチ手法等を構築する必要があることを説明する。そのためのツールも用意した。

年明け、2016年1月より残りの6回の支援の中で、これを完成させる予定である。

納得できる計画とそれを実務に落とし込むところまで持っていきたく思っている。

奄美大島~鹿児島~羽田帰路

宝島、奄美大島での業務も終了し、ようやく帰路に着く。

奄美大島空港から鹿児島経由で羽田までのフライトだ。

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空港には少し早く着いたが、いい天気だ。報道では、関東地方は台風からの雨雲で、各地で大雨になっているという。台風は日本海側に抜けているが、少し心配だ。

鹿児島空港までは、プロペラ機で1時間のフライトだ。5日に鹿児島から乗ってきた機体とは違うタイプだ。

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もうあたりは薄暗くなってきている。18:30の便だ。

乗ると、1列2列の配置で、たぶん50~60人乗り?

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CAさんも一人だ。短いフライトなので、キャンディが配られていた。

プロペラ機だのでのんびりだが、時速は400km以上で飛んでいるとのこと。奄美大島は天気が良かったが、途端雲ばかりの景色となった。ただ、雲に沈む夕日はきれいに見えたぞ。

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そして、鹿児島空港には少し早く着いた。これは助かる。鹿児島空港では、乗り継ぎ時間が1時間しかない。しかも機内持ち込みサイズのキャリーバックも、この機体では上の荷台に入らず、預けたので、あまり時間もない。乗り継ぎではないので、一旦荷物を受取、再度別の航空会社にチェックインしなければならない。帰りはソラシドエアだ。

しかし、荷物も無事回収し、今度は機内に持ち込めるし、そのまま保安検査に行けたので、時間にも余裕だ。

ついつい、小腹が・・・、簡単に夕食を取ってしまった。さつま揚げそばと何故かビールが1杯。丁度1000円也。

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定時より少し遅れて搭乗開始。但し、その後なかなか飛ばない。アナウンス曰く、羽田空港が天候不順の影響で混雑しており、離陸許可が出ないのだそうだ。これはマズイ。結局定刻より40分ほど遅れて羽田空港に到着した。

そこから、東京モノレール、JR等々を使っての帰宅だが、自宅付近の川が警戒水位を超えているという!

最寄駅に着いたときは一時的に雨は止んでおり、家まで傘を使わず帰れたが、帰宅した途端、豪雨となっていた。ぎりぎりセーフで帰宅した。

その後、茨城や宮城での河川の決壊等、甚大な被害が出ていた。被災地の方々にはお見舞い申し上げる次第である。

奄美大島での支援

奄美大島では、2軒の事業所さんを午前と午後に分けて、それぞれヒアリングを行った。

まずは午前中、養鶏農家をしながら新たなビジネスとしてスイーツショップを経営している事業所さんだ。

いろいろと試行錯誤をしながら、養鶏ビジネスとスイーツ店を営んでいる。今回は主にスイーツ店の相談である。

売上は当初考えていたより少なく、行き詰まりも感じているという。しかし、何とか収支がトントンのところまで来おり、今後利益の創出が期待できるという。

店内を拝見すると、いろいろなスイーツが並べれらており、どれを見てもいかにも誠実に作られており、旨く陳列もされている。おいしそうだし、清潔なお店づくりをしている。基本的な部分は問題ないと思われる。

なので、アドバイスとしては、売上が手詰まりという話を聞き、まだまだ売上を伸ばせる要素があるところを中心に支援を行った。私から見るとまだまだ売上の伸びは期待できそうだ。ほんの少しの工夫、努力、気づきでおそらく1.5倍は伸ばせると思う。それほどポテンシャルを秘めているのだ。

アドバイスはほんの気づきを与える程度だが、それらを参考にまだまだ頑張ってほしいと思う。

 

午後の事業者は、トロピカルフルーツ農家をやりながらジェラート店を営んでいる。お店はすごく清潔感があり、お客さんも次から次と入れ替わり立ち代わり入ってくる。聞けば、代表は全く畑違いの業界勤務経験があるが、Uターンで戻ってくる際に、慶応大学のMBAコースで経営ノウハウやマーケティングをしっかり半年間学んできたとのこと。さすがにいろいろなことがわかっているので、私からのアドバイスはそれほど必要なさそうだ。

事業としては、まだまだ利益を創出できていないようだが、今後期待できそうである。また、農業については今のところは木も若く、収穫も少ないそうだが、今後収穫量が増えることは間違いない。そうすると、フルーツの販売も売上・利益が創出できることとなり、ジェラート店と共に事業として成長できると思われる。

売上を伸ばすためのほんの少しのアドバイスと今後の事業の留意点等を話しておいた。きっと今後はより期待できる事業に成長するはずである。

2事業者とも、良く自分たちの事業を理解しているので、私は気づきを与えることで充分と判断した。答えは彼らの中にあるので、それを引き出すだけで充分である。是非、今後も成長してほしいものである。

 

宝島3日目 本日は奄美大島に移動

午前中は打ち合わせが入っていたが、早々に済ませて宝島の一番高いところに連れて行ってもらった。標高291.9mのイマラキ岳だ。ここに上がると、360度海が見えるという。細い山道を軽自動車が力強く登っていき、最高峰に到着。

あいにく天気がぱっとせず、水平線もはっきりしない。

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本当なら地球が丸く見えるはずである。何となく丸いが・・・。しかし、気持ちがいい。周りはすべて海である。

その後、鍾乳洞に連れてきてもらった。このすぐわきには観音様が立っている。

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観光資源はあまりないが、実にのんびり過ごせる良い島だ。時間の流れが違う。

前日の支援終了後には、歩いて海まで行ってみたが、その時見つけたのが唯一の海水浴場だ。狭い砂浜が湾の中にあり、人工的に作られたような砂浜だ。島には砂丘地があり、島らっきょうの畑になっているが、海岸には砂浜がないのだ。

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そこから見た夕日は、なかなかのものだ。

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話は戻り、その日はお昼の12時30分出向のフェリーで奄美大島に移動だ。来るときは夜中の運行だったが、今回は昼間なので少し楽しみだ。

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港の海は、半端ないほどきれいだ。飛び込みたいが、そうはいかない。そうしてる間にフェリーが入港してきた。

島でお世話になった方々が港に集まり、入港と荷物の受け入れの手伝いに来ていた。お世話になった方々にお礼を言い、船に乗った。船に乗る前に、お世話になった方の一人がドラゴンフルーツを手渡してくれた。無口なオッサンだったが、これはうれしかった。

そうして島を離れ、奄美大島に向かった。本日の昼食は船の中だが、同行者はみんなお昼は食べないという。なので、私一人でレストランに行き、食事をとった。これだ。

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あれ?ビールがついてる(笑)。

そのあとデッキに出てみたら、紺碧の海がすごくきれいだったのでパチリ。

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その後は船内に戻り、報告書の作成を行いながら3時間で定刻に奄美大島に到着した。明日は、奄美大島での支援だ。

事業者支援事業の実施

宝島に渡って2日目、本日はいよいよ事象者との面談及びアドバイスを行う。

本日は3名のIターン事業者と、それぞれ2時間の面談を行う。まず一人目は、移住者第1号で、移住して5年目、移住者のリーダーである。彼は現在島らっきょうを生産する農家およびトビウオを取る漁師を行いながら、学生ボランティアの受け入れ等も行っている。また、一般社団法人を立ち上げ、自ら取ってきたトビウオを加工し、販売を行うとともに、トビウオの燻製も試作中である。

島らっきょうでは50a程の畑を有し、栽培しており、さらに拡張予定という。ただ、宝島にはしばしば台風に襲われ、風が強いと収穫が遅れるのが課題という。島らっきょうは他のトカラ諸島でも栽培されており、トカラ潮風島らっきょうとして売り出しているという。現在は作れば作っただけ売れているというので、今後も拡張したいとのことだ。

また、トビウオは漁及び加工はほかの方がやっているので、それを手伝い、新たな販路開拓および燻製の加工・販売を自分で立ち上げた一般社団法人で行うという。

アドバイスとしては、生産量に見合う販路の確保とトカラではない宝島としての島らっきょうのブランド化推進を勧めた。

また、各事業がどんぶり勘定になっている様子だったので、事業ごとの収支をしっかり分けることを勧めた。また、特に事業のお金と家計との区別をしっかり行い、混同しないよう、勧める。

移住者のリーダーとして、島全体の事業として何を柱として育て、宝島=この商品とかこのブランドというものを確立することも勧める。

 

次の業者は、移住して4年目、現在バナナの加工品を生産、販売しており、トビウオの加工及び販売を上記事業者と共同で行っているという。

いろいろと話は聞いたが、問題点や課題は抱えていないとのことだった。

ただ、一般社団法人トビウオの販路拡大事業であるが、手持ち資金がないのではないか。どのように販路を拡大し、定着させていくのかの戦略がないので、それらを立案し、進めることを勧めた。

 

最後の相談者は、移住してまだ半年、ようやく自分のすることを見つけたところだ。島らっきょうの栽培とバナナの栽培は準備を進めており、来年より本格的に栽培をするという。現在島らっきょうは畑を開墾中で、バナナは畑を譲り受けたとのこと。ただ、島らっきょうの種らっきょうが確保できていないという。

それ以外にもマンゴー、ミカン、ドラゴンフルーツ、カカオ、コーヒー、サトウキビもやりたいという、意欲ある若者だ。まだ20代であるが、家族も持ち、頑張ろうとしている。

是非頑張ってほしいが、せっかく島らっきょうの畑を開墾しているのに、種らっきょうの確保が出来ていないのは残念なことだ。なので、種らっきょうを琢さんではなくても少しでも分けてもらうよう仲間や先輩に相談し、わずかでも試験栽培のつもりでやってみることを勧める。そこで収穫できたものを来年の種らっきょうに活用することで、来年の事業が見えてくるハズである。

また、いろいろとやりたい気持ちはわかるが、まだ移住1年目なので、絞り込むことも必要である旨を伝えた。できれば、島らっきょうとバナナに絞り込み、他の農作物は試験的に家庭菜園レベルで今年はやってみて、実験してみることを勧める。多くの種類を少しずつ栽培して収穫しても、販売量に乗らないと無駄になってしまう。ある程度のロットは必要だと思われるので、その様に勧めた。

また、3事業者に共通して話したこととして、儲けることは決して汚い事ではなく、儲けることでより島の経済の発展に寄与でき、雇用も生まれることを説明しておいた。

いずれにしても、みんな夢を持って移住してきており、素晴らしい事である。是非成功してもらい、他の方の手本になってほしいものである。

まだまだ本格的なアドバイスというより、立上げ段階なので、初歩的なアドバイスに留まっているが、次に会う機会があれば、是非もう少し突っ込んだ支援をしていきたいと思う。